訪問看護・訪問介護の応援ブログ「楽する日記」

訪問看護・介護の現場で働く上で、避けて通れないのが「看取り」に関する事柄です。在宅で看取りを希望する人やその家族へどういった対応をしていくのか、専門職として押さえておくべきポイントを紹介します。
専門職としてのポイントを知る前に、在宅で最後を看取る意味を学んでおきましょう。在宅での看取りには、
というふたつの要素が関係しています。
まず、在宅で看取りを行うもっとも大きな意味は、「本人がそれを望んでいるから」です。住み慣れた場所でこれまで一緒に生活してきた家族と見守られながら最後を迎えたいと思うのは、ごくごく自然な感情と言えるでしょう。また、厚生労働省が行ったアンケートによると、4割以上の人が要介護になっても在宅で介護してもらいたいと答えています。
(参考資料:在宅医療・介護の推進について)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/zaitakuiryou_all.pdf
次に、在宅の看取りは、実は厚生労働省も推進しているのです。というのも、日本は他に類を見ないほどの高齢化社会を迎えており、多数の高齢者が病院で治療を受けることによる医療費の圧迫などが問題になっています。そのため、国でも在宅での看取りを推奨しているのです。
このように、社会全体の流れをふまえても、今後「在宅での看取り」は増加しいくと考えられます。
在宅での看取りにおいて、もっとも大切なのが「医療機関との連携」です。
看取りとは終末期医療であり、
「もうこれ以上症状が改善する見込みがない」
と判断されてから、はじめてその準備に入ります。その判断は医師が行い、そこから病院に入院するか、そのまま在宅で看取るのかを本人や家族と話し合いながら決めていく必要があります。そのため、当然のことですが、医師の指示があるまで「看取りの時期に入った」ということは自分で判断してはいけません。
家族であっても、専門職であっても、本人が亡くなる寸前かどうかの判断は、必ず医師の指示を仰ぐようにしてください。
看取りの時期に入った方に対して、訪問看護・介護のスタッフとしてできるのは以下のようなことになります。
在宅の看取りを行う前には、その可能性が出てきた時点で、本人と家族に事前に意思確認をしておくことをおすすめします。
在宅での看取りに対してもっとも尊重されるべきは本人の意思ですが、状態が悪化すると意思疎通すらできなくなることも少なくありません。
いざというときになって「延命治療を行うのかどうか」を話し合っても、中々冷静に話は進まないでしょう。そのため、本人の意識がはっきりしているときに「どんな状態になったら延命治療は行わない」といった具体的な基準を決めておく必要があるのです。
また、一口に看取りといっても、ある程度の救命処置を行う場合もあれば、まったく行わない場合もあります。そのあたりに関しても、事前に説明をし、納得してもらうようにしておきましょう。
看取り時期の訪問サービスは、他の時期に比べてできることが少ないように感じるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。痛みを緩和しつつ状態確認を行い、家族と協力しながら、本人が最後のときを迎えられるようにサポートしていきましょう。
また、在宅での看取りに関しては、余計なトラブルを避けるためにも、なるべく本人の意識がはっきりしている状態で基準を定めておくことをおすすめします。