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02/272017

訪問看護師・介護士必見!認知症の方への上手な接し方

少子高齢化社会の日本において、どんどん身近になりつつある「認知症」。認知症の方への対応を誤ってしまうと、症状をさらに悪化させてしまう場合があります。認知症の方への上手な接し方を学んでおきましょう。

認知症とは何か?

認知症とは、脳の機能が衰えたり、脳細胞が死んで働かなくなったりすることによって、心や体にさまざまな影響が及び、日常生活に支障をきたす症状です。

厚労省の調査によると、65〜69歳での有病率は1.5%で、その後は重ねるごとに増加し、85歳での有病率は27%に達しています。

認知症には、脳全体が萎縮する「アルツハイマー型認知症」や、ある特定の部分の血管が死んでしまうことによる「脳血管型認知症」などいくつかの種類がありますが、アルツハイマー型が約6割、脳血管型が約2割と大半を占めます。

中核症状は治せない。アプローチするべきは周辺症状

認知症の症状は、「中核症状」と「周辺症状」のふたつの症状にわけることができます。

中核症状とは、いわゆる「脳の機能低下に伴う症状」のことで、記憶障害や計画能力の低下、計算力の低下、見当識(自分が何者で、どこにいるのかを把握する能力)の低下、妄想などが当てはまります。ただ、これはどうしても進行していくものであり、薬などを使って進行を予防したり、進行のスピードを遅らせたりすることはできますが、元の状態に「治す」ことはできません。

もうひとつの周辺症状とは、「中核症状によって引き起こされる問題行動」のことで、徘徊、介護者や周囲への暴言や暴力といったものが当てはまります。中核症状を治すことはできませんが、周辺症状は対応を工夫することによって、ある程度抑えることが可能です。

認知症の方への上手な接し方

認知症でもっとも問題となる周辺症状に対しては、どのような対応をとればよいのでしょうか?基本となる考え方をいくつかご紹介します。

否定しない

認知症になると、記憶障害などにより、普通の人からすると支離滅裂な言動をしてしまうときがあります。そんなときに「何度言ったらわかるの!」「それは違う!」といった対応の仕方をしてしまうと、認知症の方は余計にパニックになってしまいます。そのため、どれだけ支離滅裂な言動をしたとしても、それを真っ向から否定しないようにしてください。

例えば、「物が盗られた」と言われた場合だと、「盗られていない!あるじゃない!」と言って否定するのは厳禁です。まずは、「そうなの?一緒に探してみようか」といって探してみるなど、「対応は肯定から入ること」を意識してみてください。探しているうちに、徐々に症状が落ち着いてきたりすることもあれば、わざと本人が見つけやすい場所にそのものを置いたりすると落ち着いてくれることもあります。

自尊心を傷つけない

認知症では、本人が一番「今まで出来ていたことが出来なくなったはがゆさ」を感じて、自尊心が傷ついています。

そういった状態の方に対して、「どうせできないんだから、手伝ってあげる」といった対応をすることは、さらに自尊心を傷つけてしまうでしょう。「やります」ではなく、「もしよかったら、やらせてもらえませんか?」といった言い方をしたり、本人が昔から得意なことを教えてもらったり(認知症の特徴として短期記憶は障害されやすいものの、体に染み付いている長期記憶は失われやすい傾向にあるため)することで、相手の自尊心が傷つかないような対応を心がけましょう。

介護者を変更する

介護する側と介護される側には、「相性」というものが存在します。意外かもしれませんが、身近にいる家族だからこそ、脳の機能低下によって感情が抑えきれなくなり、これまでの不満が爆発して辛く当たってしまうということも多々あります。そんなときは、介護者を変えてみるのもひとつの選択肢です。

すべて抱え込まずに施設やサービスを活用するのも選択肢

認知症の方への対応をどんなに工夫したとしても、症状が進行すると、意思疎通は難しくなっていくでしょう。意思疎通がしっかりとできる方の介護と、認知症の方の介護は、その負担に大きな差があります。

そんな中で、「家族だから、どんな状態になっても自分が介護をしなくてはいけない」と思いつめて、最終的に介護共倒れのような状態になってしまうことも少なくありません。

そうした、「善意や責任感が悲劇を招いてしまう状況」を防ぐためにも、自分の負担の限界を超えてしまう前に、介護施設や訪問サービスを活用するようにしてみましょう。

まとめ

自分にとっても、自分の家族にとっても、決して他人事ではないのが「認知症」です。これからますます増えることが予測される認知症患者への対応の仕方は、訪問看護師や訪問介護士としてサービスの実施にあたる上で、最低限知っておきたい知識と言えるでしょう。また、これらの知識を、実際に長時間介護をされているご家族に共有することで、ご家族の負担も軽くなるはずです。