訪問看護・訪問介護の応援ブログ「楽する日記」

クラウド型の訪問看護・訪問リハビリ・訪問介護支援システム ケアラクスル
02/072017

急増中の「介護離職」!その問題点と「介護休業法」のポイントとは?

少子高齢化における数ある課題の中で、近年特に注目されているのが、介護のために仕事を辞めざるをえない、「介護離職」です。そんな介護離職を食い止めるために、「介護休業法」が今年1月に改正されました。この機会に、介護離職についての基本的な知識と、介護休業法のポイントについて学んでおきましょう。

深刻化する介護離職とは?

まずは、介護離職についての基本的な事柄を解説していきます。

介護離職とは?

介護離職とは、「介護が原因で仕事を辞めてしまうこと」です。自宅介護では、介護されている人の容体が突然悪くなって仕事で早退が増えたり、介護者の体への負担が増えたりすることによって、仕事と介護の両立が難しくなって離職してしまうことが少なくありません。「働きたいのに、介護が原因で働けない」といった人が増えているのです。

介護離職の問題点

介護離職には、「本人」「家族」「企業」「社会」の4つの点で問題があります。

まず、前から勤めている企業を退職した場合、アルバイトなどを始めたとしても給料は大幅に減り、生活は苦しくなることがほとんどです。また、介護をし終えた(看取った)後に、いざ再就職しようとしても、年齢がネックで再就職が困難を極めてしまいます。

家族からしても、「自分のせいで家族の仕事を奪ってしまった」という罪悪感にさいなまれることもあるでしょう。介護者がいくら「気にしないで」と言っても、そうした負い目を自然と感じてしまうこともあるはずです。

さらに、企業からしても、それまで勤めていた大事な戦力が退職してしまうことにより、競走力が低下してしまいます。介護離職するのは、親が高齢化した「40〜50代の、これから企業を背負っていくはずだった働き盛りの中堅社員」が多く、その影響は深刻です。

また、そうして企業が増え続けると、社会全体の活力がなくなってしまうでしょう。

増え続ける介護離職者

総務省の「就業構造基本調査」によると、2007年10月〜2008年9月に介護や看護が理由で退職した人は「約8万8500人」だったのに対し、2011年10月〜2012年9月までに同じ理由で退職した人は「約10万1000人」と増加傾向にあります。少子高齢化が進む社会の中で、この傾向は今後より一層加速していくことが懸念されています。

2017年1月改正の「介護休業法」とそのポイント

そうした介護離職を食い止めるために国が打ち出したのが、今年1月に改正された「介護休業法」です。介護休業法は自宅介護をしながら働く人をサポートするために制定された法律ですが、今回の改正で何が変わったのでしょうか?大事なポイントについて、いくつかみていきましょう。

介護休業を取れる回数が「1回」→「3回」になった

これまでの介護休業法では、介護を必要とする人が家族にいた場合、1人につき通算して93日で、「1回のみ」介護のために休業することが認められていました。今回の改正では、日数は通算93日で変化がないものの、回数が3回となり、分割して介護による休業をとることが可能になりました。

介護休暇取得の柔軟化

これまで、介護による休暇を取得する場合は「1日単位での取得」が基本でした。しかし、改正後は「半日休暇」がとれるようになりました。「午前中のみ仕事をして、午後からは介護に専念」という働き方もできるようになったのです。

介護休業とは別の労働時間の短縮措置

これまでは、介護休業と合わせて93日の範囲内で労働時間の短縮が認められていましたが、今回の改正によって、介護休業の93日とは別に、3年間の間で2回以上、介護のための労働時間の短縮措置を受けられるようになりました。

時間外労働の免除

これは今回から新しく新設された制度で、介護期間が終わるまで、所定の労働時間以外の時間外労働を免除してもらうことができます。ただ、就職して1年未満の労働者や、企業に対して大きな影響を与える場合は除外されることもあるので注意してください。

介護離職を防ぐためにも訪問サービスの活用は必須

今回、深刻化する介護離職を防ぐために、改正された「介護休業法」ですが、この法律だけでなく、訪問サービスを活用することがこれからの時代は必須となってくるでしょう。

自己流の介護では、介護する側・される側ともに余計な負担がかかっている可能性もあります。身体的・精神的な負担を緩和するという意味でも、「施設に預けるのは嫌だから、自宅で介護したい」といった人や、すでに介護離職を考えている人は、一度訪問サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

団塊世代が引退すると、爆発的に増加することが予測される介護離職。その対策に法律も徐々に整備されつつありますが、法律が時代の流れに追いつかないことは多々あります。今回改正された介護休業法だけでなく、訪問サービスなどの「今ある仕組み」を最大限に活用し、介護に備えましょう。