訪問看護・訪問介護の応援ブログ「楽する日記」

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12/292016

どこからどこまでがOK?訪問介護の線引きとは

訪問する介護士の側、訪問される利用者の側、どちらもちゃんと把握しておく必要があるのが「訪問介護の線引き」です。どこからどこまでが「訪問介護」なのか、正しく把握し、余計なトラブルに発展しないよう気をつけましょう。

訪問介護には「身体介助」と「生活援助」の2種類がある

まず知っておきたいのは、訪問介護には「身体介助」と「生活援助」のふたつの種類のサービスがあるということです。

身体介助とは、食事、着替え、入浴、トイレなど、直接利用者の方に触れて行う介護のことで、一般的に介護というと、この身体介助をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

一方、生活援助とは、利用者の方に直接触れて行う介護ではなく、掃除、調理、買い物、洗濯といった、「生活に必要不可欠な活動の援助」を行う介護です。生活援助は一見するとあまり「介護」といった感じを受けにくいため、「間接的な援助も介護」ということは、しっかり認識しておきましょう。

また、これらふたつの介護は、

  • ・身体介護は20分以上30分未満で利用者負担が245円
  • ・生活援助は20分以上45分未満で利用者負担が183円

といった風に金額が定められており、それぞれで時間の区切りや金額も異なります。

その他にも、「要支援1・2」と「要介護1〜5」といった区分の違いや、1〜7級地といった地域でも、負担額が変動します。要支援の人は、訪問介護ではなく「介護予防訪問介護」となり、身体介助と生活援助の区分はなくなるのが大きな違いです。

「直接の援助には当たらない場合」はNG

身体介助と生活援助を合わせると、大体のことが介護に当たりそうな気がしますが、「直接の援助には当たらない場合」は介護としてみなされません。

直接援助にならない場合とは、具体的に言うと「来客への対応」「利用者の家族のための家事」などがこれに当たります。

ここで大事なのは、「利用者に対しての援助かどうか」という点です。利用者の家族のために家事を行うことは、広い意味でみると「利用者のため」と捉えることができるかもしれません。しかし、身体介助や生活援助に比べると、利用者までの距離が遠く、訪問介護の制度上はサービスの対象外となってしまうのです。

「日常生活を超える場合」はNG

利用者に対する直接的な援助ではない場合以外にも、「日常生活を超える場合」は訪問介護とみなされません。

例えば、ペットの世話、大掃除、草むしりがこれに当たります。たしかに、これらの活動は利用者の方の生活において大切な活動かもしれませんが、「生きていく上で必要不可欠な活動か」と言われると、そうではありません。

訪問介護は、あくまで「利用者の方が生活する上で必要不可欠な日常生活の活動をサポートするサービス」です。それ以上の範囲は、サービスの対象外ということは、介護する側もされる側も認識しておきましょう。

最初に「線引き」を本人と家族と共有しておくことが大切

ここまでに紹介した「訪問介護の範囲」ですが、訪問する介護士側は把握していることが多いものの、介護される利用者側は把握していないことが多々あります。

そのため、訪問介護を始める前に「どこからどこまでがサービスの範囲なのか」を利用者の家族もふまえて具体的に説明し、納得してもらうことが大切です。

この説明ができていないと、後から「これぐらい、やってくれてもいいじゃないか」「いや、それはできません」となってしまう可能性もあります。

また、訪問介護士の間での申し送りも必要です。訪問介護士の間でサービスに違いがあると「◯◯さんはやってくれるのに、△△さんはやってくれない」と、利用者の方が不満に思ってしまう可能性が出てきます。特定の訪問介護士が善意で「自分の番だけの特別サービス」を行うことは、長い目で見るとリスクもあるということを覚えておきましょう。

ただ、実際の訪問介護の現場では、かっちりとした線引きをせず、「訪問介護のサービス内容には含まれないけど、事業所の方針でそれ以外のこともやっているケース」も珍しくありません。

そうした場合、「これはサービス外だからできません」と言うと、たとえそれが正論であったとしても、利用者の方からすると「今までやってくれていたのに、急に何で?」となり、トラブルの原因になってしまうこともあるでしょう。

訪問介護士として働くのであれば、働く事業所の方針や行っている内容は事前に把握し、自分に合った場所で働くようにしてください。

まとめ

訪問介護の線引きのポイントは、

  • ・利用者本人に対して直接的な援助になっているか
  • ・日常生活で必要不可欠な活動か

のふたつです。このふたつの条件に当てはまらない場合は、基本的にサービス対象外と思ってよいでしょう。

ただ、実際の現場では、かっちりと明確な線引きがされていないケースもあります。サービスを始める前に、本人と家族へしっかりと説明し、訪問介護士間でも申し送りをしておきましょう。