訪問看護・訪問介護の応援ブログ「楽する日記」

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04/292016

老後は一人暮らしが幸せ?

少し前の記事ですが、産経ニュースで興味深い内容を目にしました。

それは今回のタイトルにもなっている、「老後は一人暮らしが幸せ」なんじゃないか?という内容です。

一見、老後の一人暮らしというと「寂しい」とか「孤独」というイメージと結び付けてしまいがちですが、家族同居よりも満足度が高いという調査結果がでています。

少し意外ですよね。

では早速、老後の一人暮らしが本当に幸せなのか見ていきましょう。

 

まず調査について、以下産経ニュースより引用

「1人暮らしの高齢者は家族と同居している高齢者よりも生活の満足度が高く、悩みが少

ない-。大阪府門真市の医師が実施した調査からそんな結果が明らかになった。高齢で体が不自由になると家族の介護が頼りと思われがちだが、体調があまりよくない人でも独居の方が満足度が高かった。調査した医師は『高齢者のお1人さま生活は、実は幸せなのでは』と話している。

『1人暮らしの高齢者も家族同居と同じぐらい満足度が高いのではないか』。診察の際のやりとりなどを通してこう感じていたという大阪府門真市の耳鼻咽喉科医院の辻川覚志医師(64)は平成25年、同市医師会の相談電話や日々の診療を通じて聞き取り調査を開始。27年までに60歳以上の約1千人に生活への満足度などを尋ねた。」(産経ニュースより引用)

なんと独居の生活満足度の平均は73・5点。同居の68・3点を約5点も上回り、悩みは少なく、子供の有無や男女による差はなかったそうなんです。

また、満足度の高い1人暮らしの条件として以下の3点が挙げられています。

(1)自由で勝手気ままに暮らせること

(2)信頼できる同世代の友人や親類が2~3人いてたまに話ができること

(3)住み慣れた土地に住んでいること

(産経ニュースより引用)

では一体どのくらいの高齢者が一人暮らしをしているのでしょうか。

以下は厚生労働省の国民生活基礎調査結果(平成26年度)による、65 歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移です。

高齢者 同居割合

この結果から65歳以上の単独世帯は昭和61年の13.1%から平成26年の25.3%に増加し、65歳以上の者のみの世帯は23.9%(昭和61年)から51.7%(平成26年)にまで増加していることがわかります。一方、子と同居している高齢者のいる世帯について、親と未婚の子のみの世帯は11.1%(昭和61年)から20.1%(平成26年)と増加しているものの、三世代世帯は44.8%(昭和61年)から13.2%(平成26年)にまで減少しています。

参考:厚生労働省国民生活基礎調査(平成26年度)

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa14/dl/02.pdf

 

ではなぜ一人暮らしの高齢者が増加し、家族と同居する高齢者が減少してきているのでしょうか。

家族と同居する人の満足度が低い理由について、以下産経ニュースより引用

「辻川医師は『家族への対応に苦慮するため』と分析する。家族とうまくいかなかったり、コミュニケーションが取れなかったりすれば、生活の満足度は急激に下がる。

家族と同居していても満足度を上げるために、辻川医師は“疑似1人暮らし”を推奨している。夫婦2人暮らしなら、夫が自分の食事は自分で準備するなどお互いに自立。子供と住む場合も緊急時以外は連絡せず、なるべく顔を合わせないことでトラブルが回避できるという」(産経ニュースより引用)

参考:産経ニュース

http://www.sankei.com/life/news/160120/lif1601200029-n1.html

「疑似1人暮らし」という発想は面白いですね。

それだけ現在の高齢者の方は、ご家族との関係に悩んでいたり、息苦しいと感じたりすることが多いということでしょう。

また、昔と違って、「家族が老後をみなくてはいけない」という風潮は少しずつ変わってきているということです。

日経ビジネスオンラインによると、

「ストレスの原因は、ほとんどが人間関係から生じたものですから。同居していれば、家族からストレスが生まれます。たしかに、ふだんも訪問する人がいなくて寂しい思いをしている人がいますから、家族がいる人は幸せだと思いますよ。だけど、同居して家族介護が始まってしまったら、互いがストレス要因になります。親密だからいい関係が築けるわけではありません。介護に第三者が介入することは、家族が適切な距離をとる上でとても重要なんです。」(日経ビジネスオンラインより引用、一部省略)

「介護に第三者が介入することは、家族が適切な距離をとる上でとても重要」だとあるように、老後の過ごし方や、老後の家族との関わり方について多様な考えがでてきている現在、訪問看護や介護スタッフの存在はとても重要なものとなってきているのです。

またいまの同居は、結婚と同時に親と別居し、世帯を分離するのが当たり前になったため、ほとんどが中途からだと言います。

高齢者の「幸福度調査」によると、この中途同居では幸福度が低い傾向があるそうです。一番幸福度が低いのが、子世帯が仕事のある場所を離れられないため、親たちが呼び寄せられての同居。

幸福度が低い理由について、「それまで住んでいた土地で築いてきた人間関係をすべて失うのみならず、子世帯の「家風」に合わせなければならないことになるからです。」(日経ビジネスオンラインより引用)

参考:日経ビジネスオンライン

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090317/189216/?rt=nocnt

 

老後は同居より一人暮らしの方が幸せという見解もあり、一人暮らしを全て孤独とくくる風潮を見直すきっかけになればと思います。

とは言っても、必ずしも一人暮らしの方が幸せかというとそうでもないと思うのです。

今回はこのような結果をご紹介しましたが、人それぞれ、また環境によって「幸せ」の感じ方って違いますよね。

もちろん、ご家族と同居されている方でも、家族との関係が良好であれば一人暮らしよりも家族と同居している方が「幸せ」だと感じるはずですし、大切なのは、ご本人やご家族がどう感じているかだと思うのです。

ご家族と同居していても「孤独」を感じている高齢者の方もいらっしゃいますし、例え一人暮らしでも、ご家族や、近所・ご友人とのお付き合いや交流が定期的にあれば、同居よりも気楽でよいと考える高齢者の方もいらっしゃるということです。

どちらにしても「孤独」というのは、人間にとって、科学的に見てもよくないことです。

高齢者の方が「孤独」を感じずに癒すことができるのは、ご家族の方や身近なご友人の方々の場合もありますし、皆さま訪問介護スタッフかもしれません。

今回のブログでお伝えしたかったことは、「家族が老後を見なければならない」という日本の伝統的な風潮や義務は時代と共に少しずつ変わってきており、多様な高齢者の考え方によって、訪問看護や介護業界のニーズも高まってきているということです。

また、ご近所や家族以外の人との支え合いや繋がりもこれから先、さらに重要になってくるでしょう。

老後の過ごし方や介護についての考え方が多様化してきている現在、訪問看護・介護業界でなにができるのかということを考え、現在の取り組みを見直していきましょう。

介護をされる側もする側も「幸せ」だと感じられる関係が築いていけますように。